これまでにも書いたが、せっけんによる洗濯が好みである。
しかしせっけん洗濯には化繊の高機能衣料との相性のようなデメリットもある。
特に問題なのが、洗濯槽がカビやすいということだ。
我が家も古い洗濯機(20年以上前の三洋製)のせいか、春から秋にかけては2ヶ月も経たないうちに洗濯物に黒カビの汚れが付着するようになっていた。
そのため定期的に酸素系漂白剤を投入しては浮かび上がってきたカビを網ですくったり、果てはバケツで水ごとかきだす作業をすることになる。
だが洗濯槽のカビ取りをした人には、経験のある人も多いとおもうのだが、何度水を変えて洗濯機を回す度に、次から次へと際限なくカビが浮かび上がってきて、それだけで身も心も疲れ果ててしまうのだ。
もちろん水道代もタダではない。
こんなにも大量に水を使っていると、水不足のときなど、なんだか申し訳なくなってくる。
しかし、いろいろと試していった結果、昨年から格段にカビを少なくすることに成功したようだ。
昨年の秋以来、カビ取りをしたのはこの6月に1度だけで、それ以降も夏を超えてもカビが生えている様子がない。
洗濯物も臭わないし、今のところ年に1度で済むくらいのペースである。
コツは、カビのとり方と洗濯の仕方である。
なお、ここで書いてあることは一般的な縦型の洗濯機を念頭に置いてであり、ドラム式は使用していないが、適宜参考にしてくれれば幸いだ。
洗濯槽のカビを徹底的に除去
メーカーの洗濯機クリーナー
まずなによりも洗濯槽のカビを根絶することが重要だ。
もっとも手っ取り早いのは洗濯機メーカーが販売している洗濯槽クリーナーを使用することだ。
日立のSK-1や、パナソニックのN-W1といったものが有名だろうか。
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メーカーのクリーナーと一般的にドラッグストアやホームセンターなどで売っている塩素系洗濯槽クリーナーとなにが違うのかというと、次亜塩素酸ナトリウムの濃度である。
安全性を考えてか、これらの市販の塩素系のものは次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低い。
そのため一般で売られているものにはどうしても限界がある。
カビが多いと歯が立たないのだ。
だが、メーカーのクリーナーはきわめて強力である。
よほどひどく汚れていない限り、ほぼこれ1本で問題なく洗濯槽はきれいになるだろう。
とはいえ、次亜塩素酸ナトリウムはきわめて殺菌力の高い成分だ。
濃度が安全性にも直結するために、一般的な塩素系のクリーナーよりも、さらに注意して使用しなければならない。
臭気もはるかにきついし、そのまま排水するのは気が引けるシロモノだ。
価格も今のところネットで購入しても1本1500円から2000円近くする。
酸素系漂白剤と塩素系をそれぞれ使用する
もう少し手間がかかっていいならば、市販の酸素系と塩素系のクリーナーの両方を利用することだ。
酸素系のクリーナーは、一般に販売されているが、要するに酸素系漂白剤のことだ。
同等の品があればわざわざ買う必要はないだろう。
通常の洗濯でも酸素系漂白剤は脱臭や殺菌にも使用でき、利用価値が高いので、用意しておくとなにかと使い勝手がいい。
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まずこの酸素系漂白剤を使用する。
分量は500gくらいでいいだろう
お湯を使い1時間も浸けておくと、次第に黒いピロピロしたワカメとよく称されるカビが浮かび上がってくるだろう。
そこで出てきたカビをすくっては捨て、そしてまた水を入れて洗濯機を回し、出てきたカビをすくって捨てる。
この作業はキリがないだろうから、だいぶカビが少なくなったと思った程度にしておこう。
なぜ酸素系漂白剤での洗濯槽洗浄でいつまでも黒いワカメが出続けるかというと、こうした酸素系漂白剤は洗濯槽にこびりついたカビを剥がすことを得意とするからだ。
だが縦型洗濯機の構造上、剥がれた裏側のカビがなかなか表に出てこない。
そのためカビが大量にある場合は、いつまで経っても終わらないことになる。
そこで、今度は塩素系のクリーナー(塩素系漂白剤)を使用する。
塩素系のクリーナーはカビを分解する効果がある。
先に上げたメーカーのクリーナーは濃度が高いために、カビの量が多くても分解して水に流すことができる。
だが、市販のクリーナーでは対処しきれないことが多い。
そこでまずある程度、酸素系漂白剤で剥がして処理しておいて、残りを塩素系クリーナーで分解してしまおうというのである。
どのクリーナーもたいてい濃度はそれほど変わらないだろう。
洗濯槽カビキラーのようなどこにでも売っているもので構わない。
私はウルトラパワーズ 洗濯槽クリーナーというのを使用している。
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塩素臭を隠すために香りが強めにつけてあり洗濯槽に残るのが少し残念だが、これも2,3度使えばすぐに落ちるので、もし迷っているなら使用してみてはどうだろうか。
日々のカビ予防
カビを避けるためには日々の洗濯の仕方も重要だ。
なにより石けんをしっかり溶かすことだ。
どうしても肌に合わないなどの理由がなければ、純石鹸よりも炭酸塩配合の方が冬の寒い時期でも溶けやすく使いやすい。
あるいは助剤として別途炭酸塩を加えるなどしたい。
酸素系漂白剤も助剤になるが、しっかり溶かさずいい加減に入れていると、洗濯物の部分的な色落ちなどのトラブルが起こる可能性があるので気をつけたい。
水質や温度で溶けにくいのならば、先にバケツ等を用意してそこで溶かす。
それでもダマが多く残るなら、大きめの漏斗に、100均で買えるような排水溝用の水切りネットなどの網をかけ、濾してから洗濯機に入れよう。
そしてこれがもっとも大切なのが、洗濯槽に石鹸カスを溜めないということだ。
要するにカビが生えないための予防をするのである。
これは洗濯の際に柔軟剤の代わりにクエン酸を投入してやることで防ぐことができる。
そうでなければ、週に1度はクエン酸を入れて洗濯機をまわしておこう。
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もちろんこれだけでなく、洗う前、洗った後の洗濯物を洗濯機の中に入れっぱなしにしないとか、洗濯後はしばらく蓋を開けておくというように、なるべく洗濯機の中に湿気を残さないようにすることも重要だ。
これでかなりカビの生える時期を遅らせることができるはずだ。
残念ながらこれで一切カビないということはなく、たまにカビ取り作業は必要となるが、格段に回数と手間が減るのは間違いないだろう。
塩素系を使用するときはじゅうぶんに注意を
塩素系の漂白剤やクリーナーを使うときは、よく注意して使用して欲しい。
皮膚へのダメージも強い上に、クエン酸のような酸性の物質と混ざると有毒なガスを発生させる。
ゴム手袋や眼鏡はもちろんのこと、万が一酸性の物質が残留していることも考えて、常に換気を意識しながら作業することをおすすめする。
ではよい洗濯ライフを!