数年前から自転車に乗っている。
そう言ってもクロスバイクで街中をのんびりとポタリングというのがスタイルで、いわゆるロードバイク乗りと比べるとずいぶんとカジュアルな趣味だ。
健康維持のほうが目的である。
それこそ乗るときは普段着だし、スピードは出さない、真夏と真冬には乗らない、そして坂道があればなるべく避けようと思うほどの貧脚である。
基本的に天気の悪い日には乗らないことにしているのだが、春や秋でも風の強い日は多く、さらに走行中に雨に合うこともある。
そこでウィンドブレーカーで簡易レインウェアにもなるアウターが欲しいと考えた。
重視するのは防風性、防水性、透湿性、そしてストレッチ性のあるウィンドウシェルと呼ばれるアウターである。
購入に至るまでの比較と検討
ノースフェイスのドットショットジャケット
最初に候補にあがったのが、THE NORTH FACEのドットショットジャケットだった。
ちょうどひとつ前のモデルのセールをやっていたこともあり、そのまま即買いしようとして思いとどまる。
ハードシェルタイプのドットショットは、求める機能としてはオーバースペックではないかと感じたのだ。
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生地はゴワリとしていて、いわゆる雨ガッパのようなタイプ(とはいえ雨ガッパとは性能はまるで異なるが)でレインウェア志向が強い。
このタイプはすでにコロンビアのワバシュジャケットを持っている。
そしてベンチレーションが無いのも気になった。
検索するとこれまでも仕様に何度か変更があり、一時、ベンチレーションがあったのだという。
だが店舗で確認すると、どこにも存在せず、ウェブ上の説明にもベンチレーションの存在については触れられていない。
その後、とあるブログで、再びベンチレーションがなくなっているとの情報を見つけるという顛末だった。
このタイプでベンチレーションなしではかなり厳しい。
むしろ今回の用途ではベンチレーションのあるワバシュジャケットの下位互換となってしまう。
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パタゴニアのフーディニジャケット
そこで次に候補に上げたのが、同じくノースフェイスのスワローテイルフーディと、パタゴニアのフーディニジャケットだ。
どちらも似たタイプのウィンドシェルである。
デザインはフーディニジャケットが好ましく感じた。
スワローテイルフーディはノースフェイスのロゴがちょっと目立つ。
さらには102gとスワローテイルフーディよりも軽い。
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ところが、フーディニもベンチレーションがないのだ。
スワローテイルフーディにしても比較してしまえば重いとはいえ、それほど重量が変わるわけではなく、軽量のジャケットだ。
もちろんベンチレーションもある。
そこで最終的にノースフェイスのスワローテイルフーディを購入することにした。
スワローテイルフーディのレビュー
スワローテイルフーディは、いわゆるアウトドアのアウターとしては小さいが、サイズ自体は決して小さくはない。
中にみっちりと着込むというわけではないので、サイズ選びのときにあまり難しく考える必要はないだろう。
体型は千差万別なのでサイズ感というのは難しいが、一般的なジャケットよりひと回り下のサイズ、アウトドアのアウターでは同等のサイズあたりでいいのではないだろうか。
適度にストレッチ性もあり、自転車に乗っているときにも不便さは感じなかった。
選んだのはコズミックブルー(ネイビー)だったこともあって、比較的街着でも合わせやすい。
とはいえスポーツウェア感が強いので、街中ではナチュラルな格好には合わないし、個人的にはブランドに思い入れがないためロゴが邪魔に感じてしまう。
ただノースフェイスが好きな人ならば問題ないだろう。
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ポケットはウエスト部分に左右にひとつづつだけだが、右側のポケットの内側にセキュリティポケットなるファスナー付きのポケットが存在する。
フードの裏側にポケッタブルとして収納するためのポケットがある。
先にも書いたように160gと薄く軽量なので、天気のいい日はバッグに入れて持ち歩き、温度や天気の変化で上から羽織ってもいいだろう。
防風性能は街中ならばまったく問題がない。
気温は問題ないが風が冷たい日でも、体が冷えることがない。
街中でのウィンドブレーカーとしては申し分ない性能だ。
防水性能については、実はこれを購入してからまとまった雨に降られたことがないため、防水と透湿性能の限界は体験していない。
ただそれでも生地の感じから、小雨程度ならじゅうぶんに簡易的なレインウェアとして機能するのは間違いないだろう。
レインウェアとしてはそこまで高い性能があるわけではないが、最低限の透湿性はあり、薄手で柔らかく、裏地もサラサラとしており肌に張り付くことがないのもよいポイントだ。
あらためて感じたのは、自転車用途ではやはりベンチレーションは必須だということだ。
自転車に乗っていると、冬でもかなり身体から熱を発するため、ウィンドブレーカーを着れば、風を通さない分、なかにこもってしまい、汗をかき不快感が増してしまう。
スワローテイルフーディのベンチレーションはポケット部分の2箇所だけだが、それでも走行中にはじゅうぶんな機能を果たしてくれる。
ひとつ心配なのは耐久性だ。
まだ1年も経過していないので実際にはどの程度かは不明だが、この手のウェアは紫外線に長期間さらされることが避けられないため、どうしても日にちとともに機能が落ちてしまう。
さらに洗濯でダメになることも多い。
使用後はなるべく日の当たらない場所に保管しておくほうがいいだろう。
1万円台のシェルでポタリング用途には最適か
THE NORTH FACE のスワローテイルフーディ、半年ほど利用したが満足度はかなり高い。
着たまま出かけてもいいし、バッグに忍ばせておいてもいい。
ロードバイクに本格的に乗る人ならば別の選択肢があるだろうが、そうでない街中の自転車乗りにとって、1万円台で購入できる春秋向けのウインドシェルとしては最優秀なのではないだろうか。
また運動をせず、街着としてだけ使うのでしたら、パタゴニアのフーディニジャケットも視野に入れていいだろう。
こちらの方がカラー展開も多く、服装に合わせやすいはずだ。