いつの頃からか、郵便局で切手を購入する際に、シール式切手にするかどうかを聞かれるようになった。 最初のうちは特に考えもせず、従来通りの切手をお願いしていたのだが、あるとき気になって帰ってからネットで調べてみると、どうやら平成元年から販売されているという。
なにしろ以前は、料金別納で出していたために切手自体をあまり使うことがなかったのだ。 そういえば、うちの会社に届く手紙にも、こうしたシール式切手を利用しているところもあったはずだが、どうして今まであまり気に留めなかったのか。
なかなかおもしろいデザインで、また便利そうなので、早速、次に購入して試してみると、なかなか使い勝手がよい上に見栄えもする。 封筒が地味なので彩りにちょうどいい。
メールやFAXでの連絡が多いとはいえ、未だに郵送でのやり取りも多いのだが、1通2通ならともかく、100通単位の封筒に貼っていると、従来の切手はさすがに嫌になる。 海綿スポンジに水を含ませて一気に糊を溶かして貼り付けるのだが、水加減が難しく、貼る枚数が多いと次第にベタベタしてくるし、うまく糊が溶けずに剥がれてくるものもあるのだが、このシール切手なら、切り取る手間もいらず、糊付けする手間もない。
切手の裏にのりが付いたのは、1872年だそうだから、100年以上経っての革命的なものだ。
もっともメリットばかりではない。
従来の切手は1シートが100単位だが、シール切手は10単位のため、同量では10シート必要となる。 それでいて枠が多いため、かさばるのだ。
そして従来の切手が枠だけしか無駄がないのに比べ、ゴミとして捨てる量も多くなる。
またこれはデメリットではなくメリットでもあるのだが、定期的に新作が加わる上、1シートのなかに様々なデザインがある。 切手といえば長方形のイメージだが、シール式切手はかなりフリーダムな形も多い。
そんなこともあってか、1シート50枚で、すべて同じ長方形デザインの「グリーティング(シンプル82円)」というシール切手が、5月17日から発売される。
ただデザインがその名の通りかなりシンプルすぎるのだ。 ボーダー模様の82の文字とNIPPONと入っているだけで、かなり地味な印象である。
やはり花や星座の意匠で同等の切手を期待したいところだ。