日本参入が伝えられていたOPPO(広東欧珀移動通信)が、1月31日に同社の OPPO R11s の投入を発表する予定となっている。
R11sはメインで展開している機種であり、SIMフリーで登場すると伝えられている。
このOPPOの日本参入は、国内の歪なモバイル端末市場において、大きな出来事になるかもしれない。
世界シェア4位のメーカー
OPPOはBBK(歩歩高)という中国の大規模なグループ企業の一員であり、同グループのVIVOとともにモバイル事業の中核を担うメーカーである。
中国市場では2017年第3四半期のマーケットシェアは1位のHuaweiの19.4%に次ぐ18.8%をあげ、Huaweiと激しく首位の座を争っている。
グローバル市場でも、同じく2017年第3四半期のマーケットシェアにおいて、首位のSamsung、Apple、Huaweiに続く4位(8.2%)と、世界レベルでも躍進を遂げている。
さらに欧加ホールディングスとしてOPPOには下にOneplus(一加)というブランドを抱えている。
Oneplusはハイエンド志向であり日本のスマホマニアではこちらのメーカーの方が人気となっている。
数年前、現在は楽天に吸収されたフリーテルのプラスワン・マーケティングが、このOneplusの関係だという噂が流れたことがあるが、もちろんなんら資本関係も人的交流もないのは明らかである。
またオーディオ製品を発売するOPPO Digital もBBKの傘下であるが、このあたりの関係は非常にわかりづらい。
OPPOのマーケティングとOPPO R11s
OPPOは、日本でも知られるようになったXiaomi(小米科技)となにかと比較されることが多い。
Xiaomiがネットを中心に都心部の若者から支持を受けシェアを伸ばしたのに対し、OPPOは大都市だけでなく地方都市の路面店を中心に展開してきた。
莫大な人口を抱える中国では地方都市といえど多くの需要があり、スマートフォンが一般にも浸透するにつれ、Xiaomiを抜くことになる。
OPPOの端末は、中国のよくあるメーカーと違い、スペックを指向してはいない。
Xiaomiのmiシリーズのように、最高レベルのスペックを格安で提供するわけではなく、かといって、Redmiのような価格性能比が非常に優れているわけでもない。
ハイエンドの分野はOneplusが担っており、現在OPPOが主体としているのはカメラ機能である。
数年前は4K対応やスマートフォンでの最薄といった機種を販売しており、なにか特徴のある端末が多い。
R11sもやはりカメラにはかなり力を入れた機種である。
カメラをはじめ、R11sについては中国のモバイル事情ではおなじみの山根さんのレポートが参考になる。
性能としてはQualcommのSnapdragon660というミドルクラスのSoCを採用している。
とはいえ、現在ではよほど重量級のアプリ、つまり3D処理の重いゲームなどをするのでなければまず困ることはなく、ネットやメール、SNSの閲覧、多くのゲームのように通常の使用ならば、このクラスのスマートフォンでもじゅうぶんすぎるほどだ。
マニア層とは異なり、ほとんどのユーザーにおいては、Antutuの数字よりも、見栄えのする写真が撮影できる方が大切だろう。
そのため、リソースをカメラに傾けるのはマス層を相手にするには正解といえるのではないか。
日本でも路面店は展開されるか
日本でもSIMフリーで登場させるという話が出ており、そうなると他の多くのSIMフリースマホのように、家電量販店やMVNOでの販売が中心になる。
そうなるとOPPOの特徴である路面店での展開はどうなるのだろうか、という点が気になるところだ。
グリーンをブランドカラーにした体験店やExperience Zoneと呼ばれているOPPOの路面店は、現地法人を構えている国ではかなり積極的に展開している。
公式サイトによると、すでに東京以外にも大阪と名古屋に構えているようで、こうした都市部に店舗が構えられる可能性は高いのではないか。
OPPOにはRシリーズの他に、MediatekやSnapdragonのエントリークラスのSoCを使用したAシリーズやFシリーズがあり、RとAもしくは、FとAのシリーズを現地の経済状況に合わせて発売されている。
日本にはRシリーズを投入してきたことを考えると、Aシリーズの方がいずれ販売されるのではないかとおもわれる。
日本において携帯電話のシェアは3大キャリアの意向に左右されているのが現状で、それが国内の歪な携帯電話市場にも大きく影響している。
今のところ日本ではApple以外にこうした販売方法を採用しているメーカーはないため、OPPOが他の国々と同じようにマーケティングに力を入れるのならば、少しは状況が変わるかもしれないと期待している。