さすがにこの暑い中では最小限にしているが、自転車での移動の際にリュックを使用することが増えてきた。
幸いにもスーツ着用の義務がないこともあり、金融機関程度ならラフな格好で出向くことは少なくない。
リュックとしてはメインコンパートメントはあまり区切らずに広い方が、荷物の総量が多いときにはなにかと使い勝手がいい。
だが、コンパートメントが広いとモノを取り出しにくくなる。
そんな相反する問題を解決するのがバッグインバッグだ。
バッグインバッグ自体、タウンユースでもビジネスユースではほぼ必須のアイテムといってもいいだろう。
バッグインバッグに書類から筆記具まで一式入れておいて、手続きの際にはバッグインバッグごと取り出すのが楽だし、忘れ物も少なくなる。
とはいえこれでもひとつ問題がある。
リュックのようなカバンは基本的に縦型だ。
ビジネスリュックなどの2wayタイプでも、縦での仕様の方をベースに作られているものが少なくない。
そうなるとバッグインバッグも縦型の方が取り出しやすく好ましい。
しかしこの縦型のバッグインバッグというのが意外と選ぶのが難しいのだ。
以前から愛用しているのは定番中の定番であるリヒトラブのバッグインバッグ。
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とても役立っているのだが、基本的に横向きに使用する以外には考えられていない。
だがA4サイズのものでマチがほとんどないタイプとくれば、その使いみちといえば、やはり書類だろう。
そして当然といえば当然というか、想定するバッグはリュックやワンショルダータイプの縦型ではなく、横型のビジネスバッグと考えるほうが普通だ。
そのためまったく自立しないのでリュックの中で曲がってしまう。
前に書いたような、パッカブルタイプのリュックだとなおさらだ。
だが、最近はリュックもビジネスのカバンとして利用されることも増えてきたし、2wayで縦にも横にも使えるタイプもある。
そんな流行もあってか、縦型のバッグインバッグも増えている。
他の有名なところではコクヨがBizRackというシリーズを展開しているが、どうにも素材が頼りない。
※少し前に新シリーズが登場しているが、そちらは未使用
そこで同じくリヒトラブが展開しているスマートフィット・アクタクト(SMART FIT ACTACT)というシリーズに、縦型のバッグインバッグがあり、このA4タテ型を試してみることにした。
このシリーズは、従来のものよりもう少しクッション性があり、固めである。
これならば期待できそうだ。
リヒトラブの従来のバッグインバッグ(緑)とSMART FIT ACTACT
だが、先に結果から言ってしまうと、やはり完璧ではなかった。
しっかりとしたタテ型のアイテムとはいえ、ハリの弱い軽量なリュックの中では、どうしても曲がってしまう。
もちろん前者と比べると、かなり改善されているのだが、それでも荷物が少ないとバッグインバッグごと曲がっていることがあった。
また、収納量も多いし、機能としては文句ないのだが、重量も増えているのは間違いない。
片手を添えて測るといういい加減な計測だが、旧来のものが180g程度であったのに対して、ACTACTは260gほどもあった。
これだとパッカブルタイプのバッグとほぼ同じ重量であり、軽量バッグに入れるバッグインバッグとしては、気になってしまう。
もっとも、バッグインバッグとしては申し分ない。
ポケットの数はじゅうぶんだし、これまでのものよりもう少しマチがある。
クッション性もよくタブレットのような電子機器を持ち歩くならこちらの方がいい。
内部の素材もよくコードバンの財布を入れても傷つくことはなかった。
内部はサラサラした裏地で、大きなポケットはクッション性のある柔らかなタイプ
それに曲がってしまうとはいっても、パッカブルなリュックのことであり、カリマーのイクリプスのような、しっかりとしたリュックならそういうことはない。
Dカンも2箇所についているので、(おすすめはしないが)いざとなればショルダーベルトをつけてバッグインバッグだけで移動に使用できる。
使い方さえ間違えなければ、とはいうより一般的な使い方ならば、むしろかなり優秀なバッグインバッグではないだろうか。
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バッグインバッグの売れ筋はA4サイズなのだが、これまで使用してきた限りでは、B5くらいの方が使い勝手がいいのではないかと感じている。
A4サイズのバッグインバッグは、書類のようなサイズならいいが、小物類はどうしてもなかのものへのアクセスが悪くなってしまう。
そこで筆記具や印鑑、財布などを小さめのバッグインバッグに入れて、書類は樹脂系のファイルやケースを利用したほうがスムーズかもしれない。
それでもやはり縦型のバッグでは小さなポーチが奥の方にあると手が届きにくくなる。
結局の所、リュックの選択から含めてすべてはトレードオフであり、なかなか自分にとっての最善のカバン環境というのは試行錯誤するしかないようだ。